口腔外科


今日は扁平苔癬についてお話しようと思います。

 

扁平苔癬とは?

口腔扁平苔癬は、口腔粘膜に生じる難治性の炎症性疾患です。好発部位は頬粘膜で8割くらいを占めます。他には歯肉、口蓋、舌などで両側に生じることが多いです。1:2~3の割合で男性よりも女性に多く、40代~60代に多いと言われています。左右対称に起こることが多いです。

症状は自覚症状がないものもあります。が、自覚症状としてあらわれるのは刺激痛(歯ブラシで歯茎をこすってしまった時や、刺激物を食べたときしみる感じがするなど)が当てはまります。他には味覚異常を起こしたり、灼熱感が出たり、口を開けた時に突っ張る感じがでたり、違和感が出る方もいます。

所見としては粘膜に白いレース状あるいは、網状の模様が見えたりします。白の線状の中には赤く炎症を起こしており発赤や潰瘍、びらんのを確認することができます

原因は?

現在のところ、はっきりとした原因はわかっていません。いくつか原因になる因子があり、金属アレルギーやC型肝炎に感染している方は口腔扁平苔癬を持つ人が多かったりするので何らかの関連があると考えられていいます。他にも、ストレスや喫煙で悪化してしまったり、糖尿病なども原因因子と言われています。また、自己免疫疾患との関連もありそうです。

治療法

はっきりとした原因は分かっていないため、一般的に多くされている治療は副腎皮質ステロイド軟膏の塗布になります。ステロイドには免疫抑制作用や抗炎症作用があるため2-4週間ほど経過観察をしつつ塗布します。改善が見られないなら他の方法を試みます。後は口腔内を清潔に保つ目的で含嗽材の処方を行うことも多くあります。

他には金属アレルギーの検査をしてもらい、アレルギー反応がでる金属が口腔内にあれば、取り除き金属を含まない治療(セラミックやプラスチックによる治療)を行っていきます。

口腔扁平苔癬は、より悪化させないことが重要になってきます。治ったとしてもまた再発することもありますので口腔内のコントロールも重要になってきますし、定期的な経過観察も行っていくべきでしょう。症状が落ち着いてる人でも半年から1年に1度は経過観察していったほうがよいと思います。わずかですが癌化するという報告もありますので、扁平苔癬と診断を受けたことがある方やお口の中のできものが気になる方は1度歯医者さんで診てもらいましょう。