口腔外科


ガンというワードを聞くと、身体のガンを思い浮かべる人のほうが多いと思いますが、実はお口の中にもガンはできます。そして身体の中と違ってお口の中というのは実際に目で見えるにも関わらず、見落としていたり、自覚症状がなく放置して知らない間に進行していたというケースも少なからずあります。

口腔がんとは

まずお口の中にできるガンを総称して口腔がんといいます。口腔ガンができる場所によって名前が変わり、よくできるのは舌(舌ガン)、歯茎(歯肉ガン。特に下の歯肉)、口底(口底ガン)などです。口腔がんは全体のガンの中で1‐3%程度しか占めていません。そしてほかのガンとは違い直接見ることができます。しかしあまり知られていないのか発見が遅くなってしまう傾向があります。年齢は50歳以上が8割以上を占め、男性と女性の比率を考えると男性の方が多いです。

口腔がんの1番の症状は痛みとなります。他にはしかし初期の段階では自覚症状が少ないことが多いです。痛みが出た時にはすでに進行が始まってる場合が多いために注意が必要になります。

口腔がんのリスク

では、どういった人が口腔がんのリスクを高めてしまうのか。まずは①喫煙です。他のガンでもそうですが喫煙はガンのリスクを高めます。喫煙者の口腔がん発生率は非喫煙者に比べて約7倍あります。死亡率は約4倍も高くなってしまいます。喫煙時間、喫煙本数、喫煙年数など、トータルで喫煙してる期間が長いほうが発がん率は当然高くなります。次に②飲酒。特に喫煙もして飲酒もする人が1番危険です。飲酒時の喫煙はたばこの発がん性物質がアルコールによって溶け出して口腔粘膜ん作用するためにリスクが高くなってしまうと言われています。直接的な原因ではないですが関係はあると考えておいたほうが良いでしょう。③その他の要因としては、お口の清掃不良、合わない入れ歯や被せものによる慢性的な刺激なども関連があると言われています。

予防法は?

上記のリスクにあった通り、喫煙や飲酒を減らしましょう。

そして久しく歯医者に行ってないなという人は定期健診を受けるようにしましょう。日本の定期健診受診率なのですが2010年の時点で16%というのが現状です。お口の中に違和感が出ていたり、痛いという感覚があっても歯医者に行かずに放置してしまっているという人が非常に多いです。なので発見が遅れ、診察に来るタイミングでは進行しているケースが多いです。1度歯医者さんで定期健診を受けるようにしましょう。口腔粘膜だけでなく、虫歯や歯周病などの他の治療しないといけない部位が見つかるかもしれません。どちらも放置しておいて自然に治るものではないので放置しておくのは控えましょう。

口腔がんは他のガンと同じでいつどのタイミングでできるかは分かりません。しかしリスクを減らしていくことは可能ですので、お口の中で何か気になることがあればまずは歯医者さんに相談してみましょう。