一般歯科
お口の中や顔の周囲には“唾液腺“というものが無数に存在します。唾液腺は普段お口の中を潤してくれていて、他にも重要な役割をしてくれています。唾液はどのような働きをしているのでしょうか。
唾液の役割
①中和作用…食事をすると、お口の中の細菌が酸を出します。そうすると口腔内が酸性に傾きます。歯はpHが5.5よりも低くなるとだんだん溶け出していきます。それを防ぐために唾液の成分がお口の中の酸を中和し、溶け出すのを防ぎます。そうすることで虫歯になりにくくします。
②消化作用…唾液に含まれる酵素によって食べ物の分解を助けます。そうすることで消化しやすくなり、胃腸への負担を軽減させます。
③再石灰化作用…唾液の中には歯の成分であるカルシウムやリンが含まれています。歯の脱灰という現象が起きている場所にミネラル成分が戻され再石灰化という現象が起こり、歯を元の状態に戻してくれます。
④自浄作用…唾液がお口の中に常にあることによってお口の中を清潔に保っておくことができます。又唾液の中には様々な成分が含まれているのですが、免疫物質も含まれているので口腔粘膜の保護の役割もあります。
⑤潤滑作用…口腔内の潤わせておくことで、咀嚼や嚥下などをスムーズに行うことができます。
このように唾液には重要な役割があるのですが年齢とともに減少していきます。だいたい30代をピークに年々減少していくと言われています。唾液が減少することであらゆる作用が低下していきます。唾液はお口の中の汚れを洗い流したりすることもできるのですが分泌量が減ることにより食べたものが残りやすく結果虫歯になりやすくなってしまったり、歯周病が進んでしまったり、もちろん口臭の原因にもなります。
唾液腺の種類
唾液腺はまず大唾液腺と小唾液腺にわけることができます。
大唾液腺は大きく3種類あります。耳下腺(耳の手前下)、顎下腺(顎の下)、舌下腺(舌の下)です。この3か所以外にも多数の唾液腺がありますが、それを小唾液腺といいます。無数にある唾液腺ですが上記の通り唾液は減少してきます。そのためにはいくつかの対策を行ったほうが良いでしょう。
①水分補給…唾液の量は体内の水分量とも関係があります。どうしても仕事をしていると水分をとる暇がなかったりと水分補給のタイミングを失ってしまう事も多いと思います。体内の水分量が減ると唾液の量も減ってしまいます。
②唾液腺マッサージ…大唾液腺といわれる大きな唾液腺を刺激してあげることで唾液の分泌を促してあげることができます。痛くない程度の力でくるくると円を描くようにしてマッサージしましょう。
③しっかりと噛む…食事の時になるべく軟らかいものだけでなく、噛み応えのあるものも食事に取り入れるようにしましょう。
他にもありますが、自分自身でカバーできるところは普段の生活で取り入れていき、カバーしきれないところは保湿ジェルなどを使用してなるべく口腔内を潤いのある状態に保つようにしましょう。