予防歯科治療・ドライマウス


「虫歯は、うつる。」と聞いたことありますか?それは本当でしょうか。そう聞くと不安になる人も多いと思います。「虫歯はうつる。」とは、虫歯自体がうつるということではなく、正確には、唾液を介して虫歯の原因となる”虫歯菌”が人から人へとうつっていく、ということなのです。
その”虫歯菌”とは、どのようなものでしょう?代表的な菌に”ミュータンス菌”というものがあります。しかし生まれて間もない赤ちゃんのお口の中には虫歯の原因となる”ミュータンス菌”はいません。では、どうやって感染していくのでしょうか。実は、人から人へと感染していくということがわかっています。そこで現在いわれているのが、「お父さん、お母さんから赤ちゃんへ虫歯菌がうつる。」ということなのです。

赤ちゃんの歯を知ろう。

赤ちゃんの「歯=乳歯」は「大人の歯=永久歯」がはえてくるまでの一時的なものですが、大切な期間でもあります。毎日の食事をするだけでなく、顔の発達にも大切な役割があるのです。一般的に早くて生後5ヶ月から8ヶ月頃に下の前歯から萌え始め、2歳~3歳くらいまでで乳歯が萌えそろい20本になります。個人差があり、稀に生まれたときにはえていることもありますし、1歳過ぎるまではえてこないこともあります。歯がはえ始めてから2歳~3歳までのこの時期は虫歯菌が家族から赤ちゃんにうつり易くなるころです。2歳までに感染した場合、その後の虫歯へのなりやすさが高くなるとも言われています。赤ちゃんの歯は、柔らかく虫歯になりやすい性質がありますので、家族で口腔ケアを考える良い時期だと思って下さい。

この時期に歯磨きの習慣づけをしておくと、将来自分で歯を磨く癖が身につきますので、親の手を離れてからも健康な口腔内を保つことに役立ちます。虫歯を作らないためにはまず、夜寝る前に歯磨きは必須です。

また、朝の歯磨きは寝てる間に増殖した口腔内細菌を綺麗にし、口臭予防に効果的です。

 

 

赤ちゃんの歯を守る。

2歳ころまでに虫歯菌に感染するとその後も虫歯菌に感染するリスクが高くなるのですから、今日からでも周りの大人、特に家族ができることを考えてみましょう。

1.毎日の食事で、同じお箸やスプーンを使わない。

唾液を介して虫歯菌がうつっていくので同じお箸やスプーンを使うと感染する可能性が高くなります。

2.虫歯菌の量を測ってみる。

虫歯菌の量が多いと感染のリスクも高くなりますので家族は一度歯医者さんで虫歯菌の量を測ってみることをお勧めします。

3.歯医者で歯の定期健診を受ける。

家族は、定期的に歯医者に行き、治療の必要性がある場合はすぐに治療をうけましょう。治療の必要がなくても定期的な歯のクリーニングを受けることでお口の中の虫歯菌の量を減らすことができます。赤ちゃんと接する家族が皆受けるようにすることが重要です。

4.丁寧な歯磨きをしてあげましょう。

やわらかい歯の乳歯は丁寧な歯のブラッシングが基本です。また、食事の後は歯を磨くという、習慣作りも大切です。

周りの家族が口腔ケアをしよう。

スキンシップで虫歯菌がうつってしまうからといって赤ちゃんとのスキンシップを取らずに過剰に神経質になってしまうと、子供の精神発育や愛情不足を招くなど、悪影響を与えかねません。

なので、過剰に感染を防御するよるりも、多少の感染が生じてもまわりの家族がみんなで口腔ケアをし、健康的な歯を手に入れるほうが有意義ですし、それによって虫歯を作らないようにすることはできます。

つまり、虫歯菌をゼロにするのは難しいですが、虫歯にならないための予防を周りの大人、つまり家族がすることによって、虫歯のない口の中を保つことができるのです。

このように虫歯菌から歯を守ることも大切ですが、歯の質を強くすることも虫歯を作らないためには非常に重要です。永久歯が完成する前のフッ素塗布は永久歯の質を強くするのに有効ですのでお勧めです。12歳頃までのフッ素塗布は永久歯への萌え変わりの時期なのでご自宅でのフッ素洗口や歯科医院でのフッ素塗布、フッ素入りの歯磨き粉を使用することは重要です。