その他
よく噛めないこたで、食事や栄養のバランスが崩れてしまい、生活習慣病になったり、低栄養になったりして、寝たきりになりやすいです。元気で長生きのコツはよく噛んで食べることです。
入れ歯を使わずに食べると何が悪いの?
・咀嚼力が低下すると食事や栄養が偏る
・噛みにくい食べ物は食べなくなる
私たちは、咀嚼力によってさまざまな形態をした食べ物を飲み込むことができます。また、多くの種類の食品を摂取することはバランスのとれた栄養摂取にもつながります。
現在歯数が減ると咀嚼力が低下するので噛みにくい食べ物が増え、個人差はありますが、硬いものを避けて軟らかいものを食べるようになってしまいます。
国民健康・栄養調査のデータを用いた報告では現在歯数が少ない群は、食品群では豆・野菜・果実・きのこ・魚介・肉・乳・油脂類の摂取が少なくなる一方で、穀類の摂取量が多くなっていました。栄養素で見ると、タンパク質、ミネラル類(カリウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛など)、ビタミン類(ビタミンK、B1・C、葉酸、パンテトン酸など)、食物繊維の摂取が少なく、多くなっているのは炭水化物の摂取量という結果でした。
現在歯数と栄養摂取に関することでお話ししてきました。入れ歯も含めた咬合力と栄養摂取たの関連を調査した報告で、食品群では、緑黄色野菜とその他の野菜の摂取量ら咬合力が高い人が低い人に比べて有意に多く、穀類は摂取量が少ない傾向というものてました。咀嚼力が低下すると緑黄色野菜を含む野菜類や魚介・肉類などの噛みにくい食品群けるようになる一方で、穀類などの噛みやすい食品の摂取が増えます。この結果、ビタミン類、食物繊維、ミネラル類やタンパク質の摂取が減少し、炭水化物の摂取ざ増加するというものです。
噛めなくて不足しがちな食品
入れ歯を使わず咀嚼しにくくなると不足しがちな食品とその栄養面についてです。
肉
高齢の方が痩せて筋肉が減ると寝たきりになる危険性が高くなります。肉はタンパク質と脂質が含まれており筋肉の維持ができる食品です。
タンパク質
・生命活動のエネルギー源として利用されたり、再びタンパク質として合成されたりする。
・タンパク質によって筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などを作り、栄養素の運搬を行う。
・肉はよとまた動物の身体を構成しているものであるため、必須アミノ酸を含むアミノ酸が豊富でバランスがよい。
タンパク質の取りすぎは腎臓に負担がかかるだ慢性腎不全などに注意して、適量摂取しましょう。
脂質
・身体機能の維持のために必ず摂る必要がある。日本の調査において、不飽和脂肪酸摂取量が少ない人では脳血管疾患発症リスクの増加が認められている。
・ホルモンや細胞膜、核膜を構成したり、皮下脂肪として、臓器を保護したり、体を寒冷から守ったりする働きがある。
・エネルギーが高いため(1gあたり約9kcal)食事全体の摂取量が少なくなってきた高齢者にとって効率のいいエネルギー源になる。
脂質は摂りすぎると肥満を招き、糖尿病、高脂血症、動脈硬化などメタボリックシンドロームの原因となります。とくに動物性脂肪に多く含まれる不飽和脂肪酸は摂りすぎると心筋梗塞などのリスク増加に関与していると考えられています。
魚
アミノ酸が豊富なため、肉ばかりではなく魚も食べることでバランス良くタンパク質と脂質が摂取できます。
多価不飽和脂肪酸(n-3系脂肪酸)
・血液中の中性脂肪を下げる。
・動脈硬化性疾患の予防に役立つ。
・アジやイワシなどに多く含まれている。
アミノ酸
・ヒトの身体を構成するタンパク質のもととなる。
・わたしたちの身体をつくっているタンパク質は20種類のアミノ酸からできている。必須アミノ酸とは体内では合成されず、必ず食物から補給しなければならないアミノ酸のこと。
・9種類の必須アミノ酸のバランスのことをアミノ酸スコアといい、それぞれのアミノ酸が全て必要量を満たしていれば、アミノ酸スコア100となる。
る。
野菜
野菜が不足すると、心疾患や脳血管疾患、がんなどに関連するということが多くの研究から報告されています。健康長寿のためには1日350gの野菜を摂取することが勧められます。
野菜は入れ歯で噛みにくく、特にキャベツやレタス、ふきや水菜のように繊維が残るものは、煮たり、野菜の繊維に対して直角に切ったり、刻んだりし、調理の方法を工夫すると食べやすくなります。加熱すると、栄養素が吸収されるだけでなく、野菜のかさが減るためたくさん食べることができまさが、加熱のしすぎはビタミンやミネラルを損失するため注意が必要です。
β-カロテン(ビタミンA)、ビタミンC、ビタミンEなど
・活性酵素のはたらきを抑える抗酸化ビタミン。動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病から守る。
・がん、老化、免疫機能の低下などを引き起こすのを防ぐ。
・歯周病などの口腔疾患のリスクを低減すると考えられている。
水溶性食物繊維
・食後の血糖値の上昇を抑える。コレステロールを体外に排出する。ナトリウムを排出する。
・糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化などさまざまな生活習慣病の予防に効果があるとされる。
・ 人体に有害な物質の吸収を妨げ、便として排出させる。
不溶性食物繊維
・水分を吸収して便の容積を増やすため、大腸が刺激され排便が促される。
・不足すると大腸ガンをはじめ、さまざまな生活習慣病の発症リスクが高くなるとされる。
・便利に効く。
まとめ
肉と魚、野菜類について解説していきました。さまざまな食品をバランスよく、過不足なく食べることが大切です。また、よく噛めなければ食事内容が偏り、身体機能を維持するために必要な栄養を摂ることが難しくなります。残存歯数が少ない人は入れ歯を使い口腔機能の低下ゆ防ぐこと、そして食事をしっかりとっていただくことが必要です。