入れ歯


こんにちは。

今日は入れ歯を作る手順についてです。

多くの歯が失われてしまった場合部分入れ歯又は総入れ歯にしなくてはなりません。

よく患者さんから質問されるのが
「何回くらい来なきゃいけない?」
「期間はどのくらいかかるの?」と疑問に思う方も多いと思います。
ですので簡単に順序を説明していきます。

基本的には歯や歯茎の型どりを2回行います。

①概形印象

患者さんのお口の中を大まかに型どりします。それを模型におこして現状、歯がどのような方向にはえているか、残っている歯の本数、歯茎の状態、これを見てどのような入れ歯にするかだいたいの設計を考えておきます。そしてその模型を使ってその患者さん専用の型どりのトレーを作成しておきます。

②精密印象

この日に2回目の型どりを行います。前回にとった模型を使ってトレーを作っているので(左のようなピンク色の装置。医院によって色はバラバラです。)その人のお口にあったトレーができています。それを使って、1回目よりもより精密に型とりをしていきます。その時に部分入れ歯を作られる方は残っている歯に金具をかけますから、少し歯の形をととのえていきます。

③咬合採得

入れ歯を入れたときと外した時で噛み合わせた感じが違うのは困りますよね。そうならないために、②でとった型を元に噛みあわせをとる装置を作成しておきます。装置は技工士さんが作る工程をはさみますので1週間ほど時間をあけてもらう必要があります。前歯が欠損している方は見た目も重要になってきますので唇のはり具合なども見ていく必要があります。総入れ歯の方や多数歯欠損の方は噛みあわせが同じ場所に定まっていなかったりしますのでこの工程が1番時間をかけなければいけません。なので場合によっては2回に分けさせてもらうこともあります。

④試適

この段階で入れ歯の歯が並んできます。ここでも技工所をはさむので1週間ほど時間をもらいます。入れ歯完成の一歩手前で、ロウでできた入れ歯です。これをお口にはめてもらって、見た目などの確認をしてもらいます。患者さんの確認がとれたら次回完成です。人工の歯の本数が少なかったり、入れ歯の設計の種類によってはこの段階を飛ばして、噛みあわせがとれた時点で完成まで持っていくこともあります。

⑤完成

1週間後、完成した入れ歯ができあがってきます。実際口腔内であわせてみて当たって痛いところや、噛んでもらって痛いところ、かみ合わせてみて左右均等に噛めているかなど入れ歯の調整を行います。

試適の段階と完成の段階では多少のかんじの違いはでてきますので微調整は必ず必要になってきます。

まとめ

ざっと書きましたが、入れ歯を作る工程はだいたい5回くらいかかってきます。期間は1ヶ月~2ヶ月くらいかかります。お口の状態によっては回数や期間がこれより増える人もいますし、逆にもっと少なくて作れる人もいます。

大事なのは、入れ歯が完成して終わりではないということです。新しい入れ歯と自分自身の歯茎がなじむのは時間がかかります。なので初めはお口の中で靴擦れみたいな事がおこると思ってください。

痛みは必ずでます。その時は自分でヤスリで削ったりせず、歯医者さんに連絡して下さい。次回の予約の前でもそれはかまいません。調整にくるようにしてください。傷ができたりして痛いとは思いますが、傷口があるほうが入れ歯を削る量も必要最低限に抑えることができ、隙間ができすぎたりということを防ぐことが出来ます。

入れ歯を入れたことがない人であれば、慣れる練習からしてみてください。最初はお食事の時につけるだけでもかまいません。それに慣れてきたら食事の時間+1日のうちどこかで1時間だけ入れ歯を入れて過ごしてみるなど入れ歯をいれる時間を徐々に増やして慣れていってください。

痛いからつけないというのだけは絶対止めてほしいです。いつまで経っても歯茎と入れ歯がなじんできません。せっかく作っても使い物にならなくなってしまいます。調整するにも非常にやりにくくなります。

入れ歯は作るのも時間がかかりますが、完成した後もケアがとても大事です。