一般歯科


こんにちは。

今日はマウスピース(=ナイトガード)についてお話しようと思います。

マウスピースとは、色々な用途で最近使われるようになってきています。例えば激しいスポーツをされている方は、顎や口のまわりにかかる外からの衝撃をやわらげ、歯の破折や、顎の骨折、口の中や外の軟組織のケガなどを防止します。美容目的で使われる方はたるみの防止など。また寝ている時の歯ぎしりやくいしばりの防止にも使われています。

歯医者でマウスピースを作る際1番の理由としては歯ぎしりくいしばり、顎関節症の防止目的が1番多いと思います。そもそもなぜ、歯ぎしりやくいしばりを寝ている間にするのでしょうか。

 

歯ぎしりの原因

ストレスが大きな原因とされています。現代人は仕事についてや人間関係、家庭の問題他にも色々と悩みの種になることが沢山つきまとっています。ストレスがない人はとても少ないと思います。その溜まったストレスを発散させるために、歯ぎしりをすると言われています。起きている時よりも、寝ているときに歯ぎしりする方の方が多いと思います。しかも寝ているときの無意識状態での歯ぎしりは、起きているときに歯ぎしりするよりも余計な力や負担が顎にかかりそれは6倍もの余分な力がかかってるといわれています。

他にもかみ合わせによって起こったりすることもあります。

歯ぎしりの種類

歯ぎしりには大きく分けると3種類あります。

●グラインディング…「ギリギリ」と歯を擦り合わせる歯ぎしりの事で、一般的に言われている歯ぎしりとはこれをさすことが多いです。

●クレンチング…ギュっと上下の歯を強く噛み合わせて行われる歯ぎしりです。音が出ずに行われている歯ぎしりのため気づきにくい事が多いですが、歯ぎしりの1種とされています。

●タッピング…カチカチと歯を鳴らす歯ぎしりで、歯ぎしりのタイプの中では珍しいです。

歯ぎしりを続けている事で生活にも様々な影響がでてきてしまいます。例えば顎が痛くなったり、朝起きた時に顎が疲れる。偏頭痛を起こしたり肩がこったりします。歯ぎしりをすることで自分の歯が少しずつ削れていったりひどい人だと割れたりします。又歯医者さんで入れた被せ物(入れた種類にもよりますが。)が割れる事もあります。

余計な力は歯だけではなく周りの組織(歯周組織)にも影響し、歯周病が進行しやすくなってしまう可能性もあります。もともと顎関節症になってしまっている人はそれがもっと酷くなることさえあります。

マウスピースの役割

最初に少し書きましたが、マウスピースは歯や周りの組織の保護が目的です。その他には顎の関節を守ること、かむ筋肉の負荷を下げること、心理的な安心感などを得ることが出来ます。

歯ぎしりが強い方は詰め物や被せものに負担がかかります。ということは治療後に欠ける場合もあります。
セラミック治療というものは、歯茎との相性も良く見た目も白く綺麗なかぶせを作ることが可能です。しかしセラミックというのは大人のお茶碗を想像してもらうとよいのですが落としたりするとその衝撃で割れたりすることがありますよね。そのように強い力が詰め物や被せ物に加わってしまうと欠けたりすることもあります。
マウスピースを使うことで、歯に加わる衝撃を和らげることができるので詰め物や被せ物が欠ける確率も下げることが出来ます。

そして、歯周病の方で歯ぎしりをする場合は、元々歯の骨が下がってしまっている分、歯ぎしりをすることで余計に歯が揺れてしまいます。歯周病というのは歯の周りの骨が溶けてしまって歯がグラグラになってしまう病気の事です。根本的に予防していくのは毎日の自分でのブラッシングであったり、歯医者さんに行って定期健診や歯のクリーニングをしていくことなのですが、歯ぎしりする力をマウスピースが緩和してくれるので、歯周病が悪くなるのをくいとめてくれる効果もあります。
 

基本的には寝る間だけつけてもらいます。寝てるときにつけるだけでも朝起きた時の感じが全然違うという方が多くいらっしゃいます。歯ぎしりを家族に指摘された方や、起きた時に顎がだるかったり痛かったりする方はもしかしたらマウスピースを使うことで症状が改善されるかもしれません。気になる方は1度歯医者さんで相談してみてはいかがでしょうか。