入れ歯
入れ歯と差し歯について説明します。
入れ歯
入れ歯というのは、プラスチックの材料で、歯がなくなった所の歯と歯茎の形をつくり補う、取り外しが出来る装置です。
入れ歯には、ほかに歯が残っている場合には、残っている歯にバネを引っ掛けるタイプの部分入れ歯や、全く歯が残っていない場合に、上顎全体を覆うタイプの総入れ歯があります。
差し歯
差し歯というのは、頭の部分がなくなってしまった歯に対して、歯の根っこを利用して、土台をつくり、被せ物を作った歯のことです。これは取り外しが出来ません。
簡単に違いをまとめますと、入れ歯は歯ないところに入れる取り外しの出来る装置で、差し歯は、歯の根っこを利用した取り外しの出来ない装置のことです。
(厳密にいうと、上の限りではないものもあります。)
そこで、入れ歯と差し歯についてのそれぞれの特徴についても紹介します。
入れ歯の特徴
入れ歯の利点
・取り外しが可能なので、簡単にお手入れが出来ること。
・健康な歯を削らないで作ることが出来ること。
・差し歯では適応にならないような大きな欠損部を補うことが出来ること。
入れ歯の欠点
・(部分入れ歯の場合)他の歯にバネをかけるため、バネを掛けた歯の負担が大きくなり、歯の動揺の原因にもなります。
・(主に歯茎の上に乗っているだけなので、)噛む力は非常に弱く、健康な歯と比べて約10~30%くらいしかありません。 基本的には硬いものやガムなどの粘り気の強い食べ物を食べることは難しいです。 普段の食事も小さく細かくしていただくなどの工夫が必要になります。 時間が経っていくと歯茎の状態(中の骨の状態)も変化しますので、使用時に歯茎に痛み等の症状が出る場合があります。
・特に上の入れ歯などでは歯茎を覆うような形態をとっているため、差し歯に比べると違和感が強く、食べ物の温度や味が感じにくくなってしまいます。
・入れ歯の形状によっては、発音がしにくくなることもあります。
差し歯(ブリッジ)の特徴
差し歯(ブリッジ)の利点
・隣の歯とつなげた構造になっているため、違和感は少ないです。
・物を噛んだときの感じも隣の歯と固定されているため、健康な歯の時とさほど変わりません。
・噛む力も健康な歯と比べて、(状態にもよりますが、)約60%ほどで噛むことが可能です。
差し歯(ブリッジ)の欠点
・固定式のために、隣の歯を削る必要性があります。(また削る際に、歯のしみるような痛みが強く出る場合には便宜的に歯の神経の処置を行う場合があります。)
・取り外しができないので、歯と歯茎の隙間などに食べかすなどが詰まりやすく、不衛生になりがちです。
・前歯の場合などは、空気がもれて発音がしにくくなる場合があります。
ここまで入れ歯と差し歯についての特徴を説明してきましたが、これはあくまで保険の範囲内での治療になります。
保険外の治療になりますと、歯がなくなったところの治療法として、インプラントなどが加わります。
上記の入れ歯・差し歯の場合、歯のなくなったところを間接的に補う治療になるため、歯がなくなったところの骨は経年的に吸収され減っていきます。
しかし、インプラントの場合は、歯がなくなったところの骨に人工の歯根を埋入するため、経年的な骨の吸収を抑えることが出来ます。
インプラントの特徴
ここでインプラントの特徴についても説明します。
インプラントの利点
・他の歯を削る必要はなく、他の歯に負担をかけることもありません。
・骨の中に埋まっているため、違和感も少なく、噛む力も健康な歯と比べて約90%とほとんど変わらないといわれています。
・見た目も健康な歯とほとんど変わりません。
・保険治療(入れ歯、差し歯)では、だいたい3~4年ほどで劣化してきますが、インプラント治療では10年以上持たせる(その間は定期的な歯周病ケアが必須です)ことも可能です。
インプラントの欠点
・骨の状態等、適応にならない場合もあります。
・自由診療なので、費用がかかること。
・骨に直接埋入するため、その手術が必要になります。
・手術後、骨の安定を図るために半年ほどの治癒期間が必要です。
インプラントオーバーデンチャー
またインプラント治療の応用として、インプラントを土台とした入れ歯治療(インプラントオーバーデンチャー)があります。
入れ歯のみだとどうしても構造上、外れやすさや、噛みにくさがありますが、 入れ歯と比べてインプラントオーバーデンチャーだと
・インプラントがしっかりと骨に固定されているため、硬いものでもしっかりと噛むことが出来ます。
・また固定されているため、外れにくく、発音もしやすいです。
・入れ歯のみだと、骨の吸収もありますが、インプラントを使用することで骨が痩せてくるのを抑えることができます。
いかがでしょうか?
細かな治療は上記の限りではありませんが、気になることがございましたらいつでもご相談ください。