一般歯科
今回は、「歯」についてお伝えしていきます。
そもそも「歯」は何本あるかご存知ですか?
正常な場合、大人の歯(永久歯といいます)は上下あわせて「28本(親知らずを加えると32本)」あります。
また子供の歯(乳歯といいます)は上下あわせて「20本」あります。
基本的には歯は真ん中を中心に左右対称にならんでおり、前歯から順番に1番、2番、3番・・・と数えられていきます。
大人の歯(永久歯)の名前・・・?
歯には、前歯、奥歯といった呼び名でははく、それぞれ1本1本に名前がついているんですよ!
1番前の歯から順番に、
1番:中切歯
2番:側切歯
3番:犬歯
4番:第一小臼歯
5番:第二小臼歯
6番:第一大臼歯
7番:第二大臼歯
8番:第三大臼歯または智歯(←これが親知らずです)
と呼ばれています。
3番の犬歯が、ほっぺた側に飛び出た歯並びになると「八重歯」と呼ばれる状態になります。
この「八重歯」ですが、言葉の由来としての説がいろいろあります。
その中でも面白い説として、昔の有名な女優である水谷八重子さんの歯並びが印象的だったことから「八重歯」といわれるようになったと聞いたことがあります。
歯のはえるスペースがなくなることで起こりやすい八重歯ですが、このように歯が重なって生えてしまい、がたついている状態を「叢生(そうせい)」または「乱杭歯」といわれます。
子供の歯の名前は?
ちなみに、子供の歯(乳歯)は前から順番に1番、2番・・・ではなくて、A、B、C・・・と呼ばれています。
こちらにも名前がついていて、
A:乳中切歯
B:乳側切歯
C:乳犬歯
D:第一乳臼歯
E:第二乳臼歯 と呼ばれます。
では、どの時期に乳歯がはえてきて、いつ大人の永久歯にはえ変わるのでしょうか?
乳歯は大体生後8~9ヶ月ごろから下顎(あご)の乳切歯がはえ始めます。ちょうど離乳食に変わりつつある時期ではないでしょうか?
はえてくる順番としては、A(下)→A(上)→B(上)→B(下)→D(上)→D(下)→C(上)→C(下)→E(下)→E(上)ではえてきます。
若干のズレはありますが、はえてくる時期の男女差はほぼありません。
2歳半ほどで、最後のEがはえてきて、全ての乳歯がはえそろいます。
そして、小学校に上がる6歳頃にはじめての永久歯である6番目の歯(第一大臼歯)が乳歯の更に奥側にはえてきます。
{第一大臼歯は6歳頃にはえてくるので、6歳臼歯とも呼ばれています!!}
6番目の第一大臼歯がはえると、他の乳歯がグラグラし始め、永久歯へのはえ変わりの時期を向かえます。
(最近では、第一大臼歯がはえてくる前に、下の1番前の歯である中切歯が先にはえてくることも多いようです。)
永久歯のはえてくる順番としては、
1(下)もしくは6(下)→6(上)→1(上)→2(下)→2(上)→3(下)→4(上)→4(下)→3(上)→5(下)→5(上)→7(下)→7(上)[→8(上下)]
ではえてきます。
ちなみに、7番である第二大臼歯は12歳にはえてくるため、12歳臼歯とも呼ばれています。
歯のかたちって?
上の写真でも分かるように歯の頭の形はそれぞれ違っています。
前の歯は物を噛み切りやすいように、歯の頭がとんがっています。
たいして、奥歯になると物を噛み砕いて、すり潰しやすいように餅つきで使う「臼(うす)」のような形になっています。 (この「臼」は小・大臼歯の漢字にも使われているんですよ~)
では、普段見ることのない歯の根っこはどうなっているのでしょう??
歯の根っこの本数も実は歯によって異なります。
前から順番に、
中切歯:1本
側切歯:2本
犬歯 :1本
第一小臼歯:(上)1~2本(下)1本
第二小臼歯:1本
第一大臼歯:(上)3本(下)2本
第二大臼歯:(上)3本(下)1~2本 となっています。
(~となっている本数や根っこの細かな形などは、個人差によって変わります。)
歯の神経?
更に歯の内部を見ていくと、歯の中心には「歯髄」とよばれる歯の神経があります。
通常は硬い歯質に守られている歯髄ですが、虫歯などで歯に穴が開いたり、歯が欠けてしまうと、この歯髄が刺激されてズキズキとした痛みを感じるのです。
ちなみにこの歯髄が感じるのは「痛み」だけなので、熱いものや冷たいものを口にしたときの感覚は、痛みとして感じているわけです。
この歯の神経の出口は基本的には根の先にある(細い神経の枝などはその限りではありません)わけですが、1本の根っこに必ずしも1本の神経しかないとは限りません。
2本あったり、途中で枝分かれしていたり、場合によっては網目のようになっていることもあります。
今回は、「歯」の名前や生え方についてお伝えしてきました。
普段耳にしない言葉などが多々あったと思います。歯医者などに行かれた際には言葉に注意して聞いてみてください♪