一般歯科
ボール遊びをしていたら・・・、硬いせんべいをかじったときに・・・
『パキッ!!』と歯が割れてしまったことはないですか?
ないにこしたことはないですが、もしそうなったときにどのような治療になるのかを説明していきましょう。
歯の割れ方
一言で歯が割れたといっても割れ方はさまざまです。
歯が縦に割れたり、横に割れたり・・・
歯の頭の部分が割れたり、根っこの部分で割れたり・・・
その割れ方によっても治療方法は異なるので、大まかに分類してみていきましょう!!
歯の頭の部分の割れ方
まずは、歯の頭の部分です
(1)ひび割れ〈歯としてはかけていない割れ〉
完全に割れずに歯の表面にヒビだけが入ってしまっている場合は、しみるなどの症状があれば、歯の表面にコーティングを行い経過観察していきます。
(2)エナメル質・象牙質での割れ〈歯の神経に達していない〉
歯の表面(エナメル質)に限局した割れの場合は、欠けの程度によって、機械的な研磨によって調整したり、白い詰め物によって修復します。また、欠けた歯の欠片があれば接着修復を行うことがあります。
また、歯の神経近くまで欠けてしまったような場合は、まず歯の神経を保護する薬を使用した後に、歯の欠けを修復していきます。
(3)歯の神経に達する割れ
歯の割れた断面から出血している(歯の神経が出ている)場合はまず、歯の神経の処置を行ってから、歯の修復を行います。
※この歯の神経の処置については、歯の状態(・その歯の根っこの先が完成しているか、・歯が割れてからどれだけ時間が経っているか、・どれだけ歯が欠けてしまっているか など)によって内容が異なるので、詳しくは歯科医院にて確認してください。
ただし、強い力が加わって歯が割れてしまった場合(歯が欠けていなくても)物理的な力が外から加わると、力が歯の内部に伝わって、歯の神経が死んでしまうことがあります。
その場合、表面的な歯の修復が終わっていても、後々歯が黒ずんで見えてくることもあるので、処置後の経過観察は必要です。
歯の根っこの部分の割れ方
次に歯の根っこで割れた場合です。
歯の頭の部分が割れて無くても歯茎の中の歯の根っこの部分で割れていることも多々あります。
(1)歯根中央1/3から根尖にかけての範囲での破折
割れた歯を隣の歯と固定し経過観察をおこないます。
必要に応じて神経の処置を行う場合があります。
(2)破折部位が歯肉縁下深部に及ぶ場合
基本的には抜歯になるケースが多いです。
ただし状態によっては、外科的処置や矯正治療によって歯茎の中に残った歯の根っこを外に出すことで保存できる可能性もあります。
(3)歯頚部付近などの破折部位が浅い場合
歯頚部とは、歯の頭と根っこの部分の境目のことを言いますが、その境目あたりで割れた場合は、上で書いた《(3)歯の神経に達する割れ》に沿った治療を行います。
歯の根っこで破折した場合でもやはり、経過観察は必要になります。
その他の歯の割れ方
上では基本的に水平方向に割れたときの治療を説明していますが、割れる方向は水平だけではありません。 たてや斜めに割れることもあります。
歯の頭付近から、歯の根っこの先あたりまで割れてしまっている場合
この場合は基本的には抜歯処置が適応になります。
奥歯など、歯の根っこが複数あり、そのうちの1つが割れてしまっている場合には、割れている根っこだけを外科的に取り出して、他の根っこを残せるケースもあります。
歯の頭付近から、歯の根っこにかけて割れている場合
この場合も基本的には抜歯になることが多いですが、状態によっては、外科的処置や矯正治療によって歯の根っこを外に引っ張り出すことで歯を残せるケースもあります。
まとめ
今回は、歯が欠けた・割れたときの治療法について説明してきました。
大まかな治療については上の通りですが、実際には状況、状態によっても治療内容は異なりますので、もしお困りの際には、早めにお近くの歯科医院にご連絡ください。