予防歯科・ドライマウス


酸蝕症という言葉をご存知でしょうか?

文字通り、歯が酸に蝕まれた状態であるのですが・・・実はむし歯も、むし歯原因菌によって作り出された酸によって歯が溶けて出来ていきます。

では何がむし歯とちがうのか?というと、酸蝕症は、細菌が関与していない酸によって化学的に歯が溶けてしまう状態のことをいいます。

では、具体的にどういったものかお伝えします。

そもそも酸蝕とは?

そもそも酸蝕症とは、むし歯(う蝕)、歯周病につづく、歯の疾患である「Tooth Wear」のひとつとして分類されます。

「Tooth Wear」を訳すと歯質喪失となるのですが、

これには

○咬耗(かみ合わせなどの歯同士の接触による磨り減り)

○摩耗(歯ブラシなどの物理的な刺激による磨り減り)

○アブフラクション(食いしばりや歯ぎしりなどの強い力によって引き起こされるエナメル質と象牙質の境目付近によく起こる歯質の欠損)

以上の3つと、酸蝕が含まれます。

 このなかでももっとも生活習慣(主に食生活習慣)に関与しているのは酸蝕と考えられています。

酸蝕の症状

酸蝕症の症状としては、

 ○歯の表面が白っぽくなってきた ○歯が細くなってきたり、端の部分がかけてきた ○歯の頭の部分がボコボコしてきた ○歯の色が黄色くなってきた ○歯がしみる・・・ などの症状が見られます。

酸蝕の起こり方

では、実際にどういったもので、酸蝕は起こっていくのでしょうか?

 そもそも歯の表面構造である「エナメル質」はpH5.5以下の環境下で溶け始める(脱灰する)のです。

一時的なものであれば、唾液によってpHが中和され、歯も再石灰化がおこり元に戻るのですが、日常的に口腔内が「酸」に曝されている状態が続いてしまうと、唾液による再石灰化が間に合わず、歯の表面から溶けていってしまうという状態になるのです。

酸蝕の原因

 一つ目の原因として、

以前より酸蝕症は職業病として知られており、「酸を使用している職業」の方に多く見られることが指摘されてきました。

 さまざまな職業で多種の「酸」が使われています。塩酸(塩化水素)、硝酸、硫酸・・・そういった酸の蒸気等を日常的に摂取(鼻から吸引される分も含めて)し続けていると、上記に示しているように、再石灰化が間に合わず、歯の表面から溶けていってしまうのです。

 二つ目の原因として、飲食物が挙げられます。

 基本的には口の中のpH(酸性度)は7前後で、中性ですが、飲食を行うと、食物飲料の酸や口腔内細菌が出す酸により、口の中のpHが酸性に傾き、歯からミネラル成分が溶け出しやすい状態になります。 通常ならば、唾液の機能により回復していきますが、1日に「酸」の摂取する回数が多い方や、日常的に摂取している方は酸蝕症になりやすい傾向にあります。

 では、どういった飲食物が歯を溶けやすくするのでしょう?

水道水・・・基本的にはpH6~7でほぼ中性です。

pH7~・・・牛乳、豆乳

pH6~・・・野菜(キャベツ、きゅうりなど)、魚、、緑茶、ウーロン茶

~~~pH5.5以下になると歯が溶け始めます~~~~

pH5~・・・ウイスキー、トマト、バナナ、肉、焼酎、醤油、紅茶

pH4~・・・ビール、日本酒、白米、ヨーグルト、経口補水液、果物ジュース

pH3~・・・りんご、グレープフルーツ、サイダー、スポーツドリンク、栄養ドリンク、梅酒、酢、乳酸菌飲料

pH2~・・・コーラ、レモン、ワイン、胃液

おおよその数値で上記に分類しました。

基本的には、味の酸っぱい食品が、酸性の傾向にありますね! ただし、スポーツドリンクのような甘い飲み物でも、色々な「酸」が含まれているためpHは低くなっています。

逆に、海藻類(わかめなど)はpH10ほどにもなるアルカリ性の食べ物もあります。

 3つ目の原因としては、日常的に嘔吐してしまう傾向にある方です。

 妊娠中のつわりや、過食症や拒食症の方など、普段より胃酸の逆流がよく起こってしまう方は上記にも示しているように胃酸はpH2と酸性なので、酸蝕症を起こしやすいです。

予防するには・・・

では、酸蝕症にはどのように対策したらいいのでしょう?

すぐにできる予防方法としては、

 ①普段から飲食物はちびちびと少しずつ飲み食いしないことです。

 ゆっくりと時間をかけて食べると、唾液が口の中の酸性度を中和する前に新しい「酸」が加えられてしまうことになるので、どうしても歯が溶けてしまいやすい環境になってしまいます。

 特にスポーツなどをされている方は、運動の合間にスポーツドリンクなどで給水される方が多いと思います。

一気に飲まれるのであればあまり問題にならないのですが、どうしても休憩のタイミングで飲むとなると、少しずつ飲むことになると思いますので、歯のことを考えるのであれば、スポーツドリンクなどで給水された後は、水でうがいをしていただくだけでも予防につながります。

 ②夜、寝る前に歯磨きした後の飲食は控えること。

 これは、むし歯の予防にもつながりますが、寝ているときの唾液の分泌は少なくなるため、その分、口の中の酸性度を中和する力も弱くなってしまいます。 なので、もし寝る前に飲まれるのであれば、水やお茶を飲むようにしてください。

 ③唾液の分泌量をふやす。

 くりかえしますが、唾液が口の中の酸性度を中和させる力があるので、日ごろからガムなどを噛んで、唾液がよく出るように刺激してあげる方法もあります。

 ここで、ガムとしておすすめするのが、グリコから販売されている「POs-CaF」というガムです。

シュガーレスで、むし歯になりにくく、さらに唾液に溶けやすいカルシウムが入っているため、再石灰化効果も期待できます。 またこの「POs-CaF」は歯科専用の販売になっており、市販の「POs-Ca」に緑茶エキスが配合され、フッ素が含まれています!

 寝屋川市にある当歯科医院でも取り扱っていますので、興味がありましたらご相談ください。

 ④フッ素などで、歯そのものを強くする。

 歯科医院で、歯の表面にフッ素などを定期的に塗布して歯をコーティングすることで、溶けにくい歯にしてあげることも重要です!!