詰め物、被せ物


ひとくくりに被せ物といっても、いろいろな種類があることをご存知ですか?

今回は当院で行っている被せ物を紹介しようと思います。

まずは、保険でできる被せ物からです。

金属冠

全体が金属(金銀パラジウム合金)で鋳造された被せ物(銀歯)です。
全体が金属色であるため、基本的には4番目以降の奥歯で使われます。
被せ物といえばこれを想像される方がほとんどだと思います。

金属冠の利点

・保険適応なので、安価です。
・金属性のため、強度が高くほとんどの部位に適応になります。
・治療がシンプルに行えます。

金属冠の欠点

・表面色が銀色で、あまり見た目にはよくありません。
・金属製のため、長期間使用されていると、金属が溶け出し、歯や歯茎が着色したり、場合によっては金属アレルギーを起こす可能性があります。

硬質レジン前装冠

前表面にプラスチック素材をはりつけた、金属性の(金銀パラジウム合金)被せ物です。
前から数えて、1番から3番目の歯までが保険適応になっており、保険での前歯の被せ物として代表的なものです。

硬質レジン前装冠の利点

・保険適応なので、安価です。
・前表面を白くつくれます。

硬質レジン前装冠の欠点

・表面がプラスチック素材なので、磨耗・変色しやすいです。また、表面がざらつき易く、汚れ(プラーク)が溜まり易いです。
・長期期間使用されていると、内面の金属が溶け出し、歯や歯茎の着色を起こす場合があります。
・色調にやや難があり、透明感はありません。
・歯茎の際が少し黒ずんで見える場合があります。

硬質レジンジャケット冠

全体がプラスチック素材で作られた被せ物です。

硬質レジンジャケット冠の利点

・保険適応なので安価です。
・歯全体を白く作れます。

硬質レジンジャケット冠の欠点

・全体がプラスチック素材なので、磨耗、変色しやすく、汚れ(プラーク)が付きやすいです。
・金属の裏打ちがないため、割れやすく、噛み合わせが強い場合など、適応にならない場合もあります。
・色調にやや何があり、透明感はありません。

以上が保険適応で治療が行える被せ物です。

 国が認めている治療なので、ある程度のクオリティはありますが、これ以上に「キレイになりたい!!」「歯を長持ちさせたい!!」とお考えの方は自由診療での治療をおススメします!

次からは自由診療で行う被せ物を紹介します。

オールセラミック

全体がセラミック(陶材)で出来ている被せ物です。

陶器のお茶碗を想像していただくとわかりやすいですが、プラスチック素材と比べ、表面が非常に滑らかで、汚れ(プラーク)が付きにくく、また硬さも兼ねているので傷が付きにくいのが特徴です!

さらに、白さや透明感もあり、見た目は非常に天然歯に近いです!!

[左の写真は中央がオールセラミックス、右がメタルボンド、下の写真は中央がオールセラミックス左がメタルボンドになります]

オールセラミックの利点

・素材が陶材なので、光の透過性があり、見た目に非常に優れています。
・表面に汚れがつきにくく、長年の使用にもほとんど変色せず、白い美しさを保つことができます。
・金属を使用しないので、長期間使用による歯や歯茎が変色せず、金属アレルギーの心配もほぼありません。
・より自然な色合い、形を再現できます。

オールセラミックの欠点

・金属に比べると少し割れやすいです。
・歯軋りのある方など適応にならない場合があります。
・厚みを確保するために歯を削る量が気に比較的に多くなります。

メタルボンド

裏打ちは金属(貴金属)を使用し、表面にセラミック(陶材)を貼り付けた被せ物です。

表面が陶材のため、非常に滑らかで、汚れ(プラーク)が付きにくく、傷が付きにくいのが特徴で、さらに、裏打ちが金属なので、割れにくくなっています。

メタルボンドの利点

・陶材を使用しているので、見た目に非常に優れており、表面に汚れがつきにくく、長年の使用にもほとんど変色しません。
・裏打ちが金属なので強度も高く、割れにくいです。
・金属は貴金属を使用しており、長期使用時の金属の溶け出しによる歯や歯茎の変色や、金属アレルギーが起こる可能性は低いです。

メタルボンドの欠点

・金属を使用しているため、オールセラミックスと比較すると、光の透過性に劣ります。
・歯ぐきの際が少し黒ずんで見える場合があります。
・歯の裏側に一部金属が見えます。

ハイブリッド

金属に保険診療での前装冠よりもさらに硬度の高い素材を貼り付けた被せ物です。

セラミック(陶材)の硬さと、レジンの粘り強さを併せ持った被せ物です。

ハイブリッドの利点

・天然歯に似た色調で、見た目にもキレイな仕上がりです。
・保険の前装冠と比較し、飛躍的に着色のしにくさ、傷のつきにくさが向上しています。
・裏打ちが金属のため、強度が高く、割れにくいです。

ハイブリッドの欠点

・オールセラミックなど陶材と比較するとやや色調、艶に難があります。
・金属を使用しているため、長期使用していると、金属が溶け出し歯茎の着色を起こすことがあります。
・陶材と比較すると、経年的に若干黄色みを帯びてきたり、表面のざらつきにより汚れ(プラーク)が付きやすくなってしまいます。

以上、当院で扱っている被せ物を紹介しました。

まとめ

今後、もし治療の機会がありましたら参考にしてください。

ただし基本的には、もともとのご自身の歯に、かなうものはありませんので、虫歯にならないよう日ごろからの歯磨きや、定期的な検診に来ていただくことが重要です!!