予防歯科・ドライマウス


つづけて、機能的腔ケアの他の方法をお伝えします。

その前に、唾液(つば)の働きについては以前にブログで詳しく紹介させていただいていますが、簡単に説明します。

唾液はお口の中を健康に保つ上で重要な役割を果たしています。
口を湿らせることが出来るので、口の中で食べ物をまとめたり、飲み込みやすくしますし、湿っていることで話しやすくもなります。

また、唾液そのものにも抗菌作用があり、また口の中を洗い流してくれる効果もあるので、口の中を清潔に保つことにも役立っています。
そんな唾液は加齢によって、唾液(つば)の分泌は少なくなってしまいます。

今回紹介する体操は、無数にお口の中にある唾を作る器官「唾液腺」(その中でも、3大唾液腺とよばれる主な唾液腺「耳下腺」「顎下腺」「舌下腺」)を刺激することで唾液の分泌を促す働きのある体操です。

まずは「ガラガラ体操」です。

この「ガラガラ体操」は舌を動かすことで主に舌下腺、顎下腺を刺激して唾液を出しやすくする運動です。

1.口は完全に閉じずに少し開いた状態にします。
2.ガラガラと発音するつもりで舌を動かしてみましょう。
3.(「ガラガラ」と声に出しても問題ありません。)

「ガラガラ体操」はどこでも時間をかけずに行えるので気軽に行ってみましょう。

次は「唾液腺マッサージ」です。

唾液腺マッサージとはその名通り、上にも述べた3つの大唾液腺である、「耳下腺」「顎下腺」「舌下腺」をマッサージすることで、唾液を出やすくします。

①耳下腺のマッサージ 
(場所)ほほの後ろ側、耳の前の下側にあります。
両手の手のひらを使って優しく円を描くように回してマッサージします。

②顎下腺のマッサージ
(場所)下顎の骨の横のうち側です。
両手の親指で内側の柔らかい部分を優しく後ろから前に向かってマッサージします。

③舌下腺のマッサージ
(場所)下顎の骨の真ん中の内側あたりの柔らかい部分です。
両手の親指で優しくマッサージします。

唾液腺マッサージも場所を選ばず出来るのでやってみてください。

「ガラガラ体操」に比べて唾液腺を皮膚の上から直接刺激するので唾液の出る量は多くなります。押す力は強くせずに、優しく押すようにしてマッサージしましょう。

最後は舌のトレーニングです。

舌は筋肉の塊で何種類かの筋肉が集まって出来ています。

年齢を重ねるごとに足腰の筋肉が弱まるのと同じように舌も徐々に衰えていきます。舌の機能が弱まってしまうと、飲み込むときに誤嚥してしまったり、むせてしまったり、舌がもつれて上手に発音ができなくなるなどがおこります。

そこで舌のトレーニングを行って舌の筋肉を鍛えましょう。

1.舌で下あごの先を触る気持ちで伸ばしてみましょう。
2.舌で鼻の頭をさわるつもりで舌を伸ばしてみましょう。
3.次に舌を左右に伸ばしてみましょう。
4.最後に、舌をお口の周りをぐるりと1周してみましょう。

お口のなかで歯の表面を舌で触れながら1周してみてかまいません。
右回り左回りを3回ずつ無理のない範囲でやってみましょう。

できれば、舌を動かす運動と一緒に舌の筋肉も鍛えましょう。その力に抵抗するように舌を挙げてみましょう。

右から左から前からと同じようにしてみましょう。
スプーンなどをつかって、下にあてて押しましょう。
トレーニングが終わると、舌が疲れているのを感じられると思います。

無理のない範囲で実践してみてください。

ここまで「機能的口腔ケア」の種類と方法について説明してきました。
以前にも説明しましたが、「口腔ケア」にはこれまで紹介した「機能的口腔ケア」と「器質的口腔ケア」があります。

では「器質的口腔ケア」とはどのようなものなのかを簡単に説明します。

口の中をキレイに掃除すると聞くと、歯磨きを想像される方がほとんどではないでしょうか?

しかし実際には汚れは歯だけに付くのではなく、舌や、歯茎、頬の内側など様々なところに汚れは付着します。

「器質的口腔ケア」とはそのような汚れを清掃して、お口の中を衛生的にすることで、歯周病や、虫歯の予防だけではなく、誤嚥による肺炎の予防なども目的としています。

では基本的な方法です。

①歯磨き

特に高齢者の方などは、歯茎が弱っていることが多いので、歯ブラシは毛の堅さはやわらかい物をおススメします。歯ブラシを歯に当てるときもゴシゴシと力強く磨くのではなく、毛先を軽く当てて細かく1~2本ずつ位で磨いていくようにしましょう。

歯の奥のほうなど、歯ブラシで届きにくい場合などはワンタフトブラシもおススメです。

②舌の清掃

舌に舌苔と呼ばれる汚れが付着してくると舌の表面が白~黄色になってきます。

このような汚れを取るための舌ブラシなどの専用器具もありますが、やわらかい歯ブラシで、舌の先に向かって軽くさっと磨いてあげることでも汚れを除去できます。

ただしやりすぎると舌の表面が荒れてしまうので、適度に行いましょう。

③頬の内側の清掃

頬内側の粘膜についた汚れは、湿らしたガーゼや、綿棒、スポンジブラシなどで汚れをぬぐうように除去します。

今回は「口腔ケア」についてまとめてみました。

お口の中を衛生的にすることは身体の健康にも繋がるので、ぜひ行ってみてください。

注)画像は(一社)大阪府歯科医師会 「新しい口腔保険指導ガイドブック」より引用