一般歯科


つめものや被せ物には、金属、ハイブリット、セラミックなど選べる種類が増えてきました。それぞれの材料にそれぞれの特徴があります。このような歯科に使われている材料を今日は細かく見ていきたいと思います。

歯科用金属って?

歯科で使われる金属には①生体に対して安全であること②強さ、硬さなどの性質をもつこと③変色や劣化が起きないこと④加工性がよいことなどが求められてきます。お口の中は酸性になりやすかったり、食事をするときは噛んで食べるために咬合力にも耐えなければなりません。貴金属(金、白金など)は酸によって錆びにくかったり、展延性といって力をかけたときに破壊されることなく延びたり広がったりする性質に優れています。

しかし、貴金属は価格がかなり高いため貴金属のみでは保険適用にはなりません。なので貴金属を加工した貴金属合金というものを使用したり、使う用途によって非貴金属合金を使う事もあります。貴金属と非貴金属の違いなのですが、簡単に言えば貴金属(金、銀、白金など)に該当しないもの全ての金属を非貴金属と言います。

金属の種類

今現在、保険適用で最も多く歯医者さんで使われている金属は「12%金銀パラジウム合金」という種類です。

(銀合金の中の1種で1番良く使われています)金12%、銀46%、パラジウム20%、銅20%・ そして小量の銅・亜鉛などが含まれています。

金は性質としてとても軟らかく延びがあります。これをそのまま使うことは難しいので他の金属を混ぜる事で強さを向上させたり、耐食性(酸化などによる劣化)を防ぎます。

用途としてはインレー(部分的な銀の詰め物)、クラウン(銀のかぶせもの)、ブリッジなどに使われます。

●その他の銀合金…主に乳歯のかぶせものに使ったり、永久歯で被せ物を作る前に補強となる土台の材料にも使われます。

●アマルガム…昔の歯科治療で使われていた金属になります。虫歯をとって穴が開いたところに直接つめる金属です。金属の粉末に水銀を混ぜて使うもので最近では水銀が含まれてるために使われることはとても少なくなりました。

※金合金…純金は軟らかすぎるために使うことはありませんが、18Kや20Kなどの金は使うことがあります。これは金の特性を生かした被せ物ができ、なじみがいいために歯と金属の境界にもよくなじみ、錆びることもないためとても便利な材料です。しかし、保険外適用になります。

●コバルトクロム合金…コバルトが40%以上、クロムが20%以上含まれています。歯科用金属の中で1番硬い性質をもっており、しかも貴金属合金よりも軽いのも特徴です。用途としては、主に部分入れ歯に使われるバネやフレームに使われます。

※チタン合金…チタンは、優れた耐食性、生体安全性、形状記憶、軽い(金合金の4分の1の重さ)などの特徴を持っています。これらの性質から、インプラントの材料や矯正線にも利用されています。

(※は保険適用外になります。)

 

お口の中に使うものなので、全てにおいて安全でお口の中の環境に耐えうる材料を使っています。しかし、金属アレルギーの方などにはこれらの金属は使用できませんし、審美を気にされる方も金属は治療場所によっては金属を使わないほうがよいかもしれません。なので他の材料を使用しなければなりません。お口の中の悩みは人それぞれなのでぜひ一度相談してみてください。